大阪地方裁判所 昭和50年(ワ)3176号 判決 1976年10月26日
原告
山本幸雄
ほか一名
被告
鈴木栄子
ほか一名
主文
被告鈴木栄子は原告山本幸雄に対し、金三五三万八、四六二円及びこれに対する昭和四七年一一月二三日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。
被告鈴木栄子に対する原告山本幸雄のその余の請求及び原告山本儀一の請求並びに被告鈴木嘉幸に対する原告らの請求をいずれも棄却する。
訴訟費用中、原告山本幸雄と被告鈴木栄子との間に生じた分は、これを六分し、その五を同原告の、その余を同被告の各負担とし、原告山本儀一と被告鈴木栄子との間に生じた分は全部同原告の負担とし、原告らと被告鈴木嘉幸との間において生じた分は全部原告らの負担とする。
この判決は、原告山本幸雄勝訴の部分に限り仮に執行することができる。
事実
第一当事者の求めた裁判
一 請求の趣旨
被告らは、各自、原告山本幸雄に対し、金二二五一万四九〇九円及びこれに対する昭和四七年一一月二三日から支払済みまで年五分の割合による金員を、原告山本儀一に対し、金三三万〇八五〇円及びこれに対する前同日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。
訴訟費用は被告らの負担とする。
仮執行の宣言。
二 請求の趣旨に対する答弁
原告らの請求を棄却する。
訴訟費用は原告らの負担とする。
第二請求原因
一 事故の発生
1 日時 昭和四七年一一月二二日午後七時四〇分ころ
2 場所 豊中市新千里南町三丁目一番一六号先交差点(以下「本件交差点」という。)
3 加害車 普通乗用自動車(大阪五五ほ八三二一号)
右運転者 被告鈴木栄子(以下「被告栄子」という。)
4 被害車 自動二輪車(大阪ま四八三一号)
右運転者 原告山本幸雄(以下「原告幸雄」という。)
5 態様 被害車が本件交差点で赤信号に従い停止した後、信号が青に変わつたので発進し西から東へ向かい直進しようとしたところ、同交差点内を東から北へ向かい右折しようとしてきた加害車と衝突し、被害車は、その衝撃で更に自車前方道路左端に駐車中の自動車に衝突した。
二 責任原因
1 運行供用者責任(自賠法三条)
被告鈴木嘉幸(以下「被告嘉幸」という。)は、加害車を保有し、自己のために運行の用に供していた。
2 一般不法行為責任(民法七〇九条)
被告栄子は、右折する際前方を注視していなかつた過失により本件事故を発生させた。
三 損害
1 原告幸雄
(一) 受傷、治療経過等
(1) 受傷
頭部外傷Ⅱ型、外傷性シヨツク、右大腿骨複雑骨折、右下腿骨開放骨折、右足骨折、外傷性貧血、下腿脛骨腓骨神経麻痺
(2) 治療経過
入院 一三〇日間
通院 昭和四八年四月一日から昭和四九年六月三日までの間に五一日
(3) 後遺症
骨折による骨欠損により右下肢が五センチメートル短縮し、右膝・右足関節の運動ができなくなつたもので、後遺障害別等級表の六級(併合)に該当する。
(二) 治療関係費
(1) 治療費 一五万九一一〇円
(2) 入院雑費 六万五〇〇〇円
入院中一日五〇〇円の割合による一三〇日分
(3) 入院付添費 二六万円
入院中一日二〇〇〇円の割合による一三〇日分
(4) 通院交通費 三万六七二〇円
(三) 逸失利益
(1) 休業損害 一六七万一四一〇円
原告幸雄は、事故当時二〇歳で、豊中トヨペツト株式会社に勤務し、日額二九九〇円(昭和四八年賃金センサス学歴計二〇ないし二四歳男子労働者の平均給与額)以上の収入を得ていたが、本件事故により昭和四七年一一月二二日から昭和四九年六月三日までの五五九日間休業を余儀なくされ、その間一六七万一四一〇円の収入を失つた。
(2) 将来の逸失利益 一六九九万二〇五九円
原告幸雄は、前記後遺障害のため全稼働期間を通じその労働能力を六七パーセント喪失したものであるところ、同原告の就労可能年数は、後遺症状固定時である二二歳から六七歳までの四五年間で、事故がなければその間年額一〇九万一七〇〇円(昭和四八年賃金センサス学歴計二〇ないし二四歳男子労働者の平均給与額)の収入を得ることができたものと考えられるから、同原告の逸失利益を年別のホフマン式により年五分の割合による中間利息を控除して算定すると、一六九九万二〇五九円になる。
(四) 慰藉料 四〇〇万円
原告幸雄は、本件事故のため前記のとおり長期の入通院を余儀なくされ、かつ、同原告には前記の後遺障害が残つた。
(五) 弁護士費用 二〇〇万円
2 原告山本儀一(以下「原告儀一」という。)
車両損害 三三万〇八五〇円
原告儀一は被害車を所有していたが、本件事故により同車が破損したため三三万〇八五〇円の損害を被つた。
四 損害の填補
原告幸雄は、自賠責保険金二五八万四六九五円の支払を受けた。
五 本訴請求
よつて、請求の趣旨記載のとおりの判決(遅延損害金は、不法行為の日の翌日から民法所定の年五分の割合による。)を求める。
第三請求原因に対する被告らの答弁
請求原因一の1ないし4は認める。5は不知。
同二は否認する。本件事故は、原告幸雄の一方的過失によつて発生したものであり、被告栄子には何ら過失がなかつた。すなわち、被告栄子は、加害車を運転して本件交差点を東から北へ向かい右折しようとし、同交差点の三〇メートル手前から右折の方向指示器を出して青信号に従い同交差点内に進入したが、対向直進車があつたので交通法規に従い交差点中央付近で停車し、対向車が通過するのを待つていたものである。一方、原告幸雄は、被害車を運転して時速約六〇キロメートルの高速で東西道路を東進し、本件交差点に差し掛かつたものであるが、本件交差点は、東西道路のうち交差点西側部分が東側部分よりやや南へずれているため、右西側部分からの東側部分の見通しが多少悪かつたのであるから、原告幸雄としては、同交差点の手前で減速して進行すべき注意義務があつたのにこれを怠り、漫然前記スピードのまま同交差点に進入し、ハンドル操作を誤つた過失により、自車を加害車右前部に衝突させ、更に暴走を続けて駐車車両に激突したものである。
同三は否認し、同四は認める。
第四被告らの主張
一 免責(被告嘉幸)
前記のとおり、本件事故は原告幸雄の一方的過失によつて発生したものであり、被告栄子には何ら過失がなかつた。かつ、加害車には構造上の欠陥又は機能の障害がなかつたから、被告嘉幸には損害賠償責任がない。
二 過失相殺(被告ら)
仮に無過失ないし免責の主張が認められないとしても、本件事故の発生については原告幸雄にも前記のとおり過失があるから、損害賠償の算定にあたり過失相殺されるべきである。
第五被告らの主張に対する原告らの答弁
いずれも争う。
第六証拠関係〔略〕
理由
一 事故の発生
請求原因一のうち1ないし4の事実は、当事者間に争いがない(事故の態様については、後記認定のとおりである。)。
二 責任原因
1 運行供用者責任
本件全証拠によるも、請求原因二1の事実を認めるに足りない。よつて、免責の抗弁について判断するまでもなく、被告嘉幸は、本件事故による損害を賠償する責任がない。
2 一般不法行為責任
成立に争いのない乙一号証の一ないし五(一、三、五についてはいずれもその一部)、証人船岡文男の証言、原告幸雄本人尋問の結果の一部、被告栄子本人尋問の結果を総合すると、次の事実が認められる。
(一) 本件交差点は、南北道路と東西道路がほぼ直角に交差する、信号機により交通整理の行われている交差点で、東西道路交差点西側車道部分北端の延長線が東西道路交差点東側車道部分のセンターラインとほぼ一致する程度に交差点を境にして東西道路にずれのある変形交差点であること、東西道路の車道部分にはセンターラインが敷かれており、東行車線の幅員は、交差点西側で三・二メートル、交差点東側で四・五メートル、西行車線の幅員は、交差点西側で四・〇メートル、交差点東側で四・五メートルであること、本件交差点付近道路の最高速度は時速四〇キロメートルに制限されていること
(二) 被告栄子は、加害車を運転して東西道路を西進し、本件交差点に差し掛かり、これを東から北へ向かい右折すべく同交差点手前から右折の方向指示器を出して青信号に従い同交差点内に進入したが、対向車があつたので、交差点内に車首をやや北に向けて停車し、対向車が通過し終わるのを待つていたところ、数台の対向車が加害車の右横を通過していつたこと、その後、なお後続する対向車があつたので被告栄子が右折に移らずにそのまま交差点内で停止待機している間に本件事故が発生したものであること
(三) 原告幸雄は、被害車を運転して時速約六〇キロメートルで東西道路を東進し、本件交差点に差し掛かり、そのまま減速せずに青信号に従い同交差点を進行通過しようとしたが、同交差点内で待機中の加害車をよけきれず、同交差点の中心よりやや東北寄りの地点(東西道路交差点東側車道部分北端の延長線より約四・一メートル南、交差点東側横断歩道西端より約五・三メートル西の地点、乙一号証の二の×地点)で加害車の右前角部分に自車右側をかすめるようにして衝突させ、被害車は、更に東方やや北寄りに約二九・二メートル暴走して交差点東北側歩道上に駐車していた車両の右後部に衝突して停止したこと
以上の事実が認められ、乙一号証の一、三、五、原告幸雄本人尋問の結果中右認定に沿わない部分は前掲証拠と対比し採用し難い。
ところで、被告栄子は、前認定のとおり、本件交差点を東から北へ右折すべく同交差点内に進入し、停車して対向車の通過を待つていたものであるが、前認定のとおり同交差点が東西道路にずれのある変形交差点であるため、東西道路を東進し本件交差点を進行通過しようとする車両は、交差点内で左へ進路を変更する必要があるのであるから、被告栄子のごとくこのような交差点を東から北に右折しようとする者には、対向して来る車両の通過を待つている間、対向車の進路を妨害することとならないように自車線内で待機すべき注意義務が存するものと解するのが相当であり、そして、被告栄子本人尋問の結果によれば、同被告は本件交差点が前記のとおりの変形交差点であることを認識していたことが認められるところ、前記認定事実中、本件交差点付近の東西道路の形状と加害車・被害車の衝突地点とを対比してみると、交差点東側の東行車線幅員が四・五メートルであるのに、同車線北端の延長線と衝突地点との距離が約四・一メートルしかないことからして、被告栄子は、衝突の際、自車を対向車線(東行車線)内に約四〇センチメートルはみ出させて停車していたものと認められるから、被告栄子に右注意義務違反が存したことは明らかであり、しかも、前認定の衝突地点(加害車の対向車線へのはみ出しの程度)、衝突の態様及び衝突後の被害車の進行状態からすると、被告栄子が加害車を右のように対向車線内にはみ出させていなければ、被害車は加害車との衝突を回避することができたであろうと推認するのが相当であるから、被告栄子は、その過失によつて本件事故を発生させたものというべく、同被告は、民法七〇九条により、本件事故による原告らの損害を賠償する責任がある。
三 損害
1 原告幸雄
(一) 受傷、治療経過等
成立に争いのない甲二、三、八号証、原告幸雄本人尋問の結果によれば、請求原因三1(一)の(1)、(2)の事実(なお、入院期間は昭和四七年一一月二二日から昭和四八年三月三一日までである。)及び後遺症として五センチメートルの右下腿短縮、右膝、足関節の運動制限(膝関節の可動範囲は正常可動範囲の約八五パーセント、足関節のそれは正常可動範囲の約二五パーセントである。)、右足趾ⅠないしⅤ自動運動不能の障害が残り、昭和四九年六月三日ころ症状が固定したことが認められる。
(二) 治療関係費
(1) 治療費 一五万九一一〇円
成立に争いのない甲四号証によれば、原告幸雄は、合計一五万九一一〇円の治療費を負担したことが認められる。
(2) 入院雑費 三万九〇〇〇円
原告幸雄が一三〇日間入院したことは前認定のとおりであり、右入院期間中一日三〇〇円の割合による合計三万九〇〇〇円の入院雑費を要したことは、経験則上これを認めることができる。右金額を超える分については、本件事故と相当因果関係がないと認める。
(3) 入院付添費 一五万六〇〇〇円
前認定の受傷及び後遺障害の部位・程度並びに原告儀一本人尋問の結果及び経験則によれば、原告幸雄は、前記入院期間中付添看護を要し、その間一日一二〇〇円の割合による合計一五万六〇〇〇円の損害を被つたことが認められる。右金額を越える分については、本件事故と相当因果関係がないと認める。
(4) 通院交通費 三万六七二〇円
前掲甲二号証、原告幸雄、同儀一各本人尋問の結果、弁論の全趣旨及び経験則によれば、原告幸雄は、高槻市内の自宅より西宮市甲子園口所在の三好病院へのタクシーによる前記通院(往復一回二二〇〇円)のため少なくとも合計三万六七二〇円の通院交通費を要したことが認められる。
(三) 逸失利益
(1) 休業損害 一七六万三一九六円
証人香川武義の証言、原告幸雄本人尋問の結果、弁論の全趣旨及び経験則によれば、原告幸雄は、事故当時二〇歳で、訴外豊中トヨペツト株式会社に自動車整備工として勤務していたが、本件事故により、昭和四七年一一月二三日から昭和四九年六月三日までの間休業を余儀なくされたものであるところ、事故がなければ、右休業期間のうち、昭和四七年一一月二三日から同年一二月三一日までは同年賃金センサス学歴計二〇ないし二四歳男子労働者の平均給与額(年額九二万三九〇〇円)、昭和四八年一月一日から同年一二月三一日までは同年賃金センサス学歴計二〇ないし二四歳男子労働者の平均給与額(年額一〇九万一七〇〇円)、昭和四九年一月一日から同年六月三日までは同年賃金センサス学歴計二〇ないし二四歳男子労働者の平均給与額(年額一三五万八二〇〇円)とそれぞれ同額程度の収入を得ることができたものと認められるから、右休業により原告幸雄が失つた収入は、合計一七六万三一九六円となる。
(算式)
923,900×39/366+1,091,700+1,358,200×154/365=1,763,196
(2) 将来の逸失利益 一四〇五万六五〇〇円
前認定の原告幸雄の受傷及び後遺障害の部位・程度並びに証人香川武義の証言、原告幸雄本人尋問の結果を総合すると、原告幸雄は、前記休業後勤務先に復帰したが、前記後遺障害による労働能力低下(障害等級六級(併合))のため、以前の自動車整備工から雑役にまわり、以後今日までほぼ従前と同額の収入をえてきたものであることを認めうるところ、右諸証拠及び経験則によれば、同原告の就労可能年数は昭和四九年六月四日から四五年間で、右労働能力の低下がなければ、その間当初の一年間は昭和四九年賃金センサス学歴計二〇ないし二四歳男子労働者の平均給与額(年額一三五万八二〇〇円)、その後は昭和五〇年賃金センサス学歴計二〇ないし二四歳男子労働者の平均給与額(年額一五三万六三〇〇円)とそれぞれ同額程度の収入を得ることができるものと考えられるから、同原告の将来の逸失利益を年別のホフマン式により年五分の割合による中間利息を控除して算定すると一四〇五万六五〇〇円となる。
(算式)
(1,358,200-923,900)×0.952=413,453
(1,536,300-923,900)×(23,230-0.952)=13,643,047
413,453+13,643,047=14,056,500
(四) 慰藉料 三二〇万円
本件事故の態様、原告幸雄の傷害の部位・程度、治療の経過、後遺障害の内容程度、その将来に及ぼす影響、原告幸雄の年齢、その他諸般の事情を考え合わせると、原告幸雄の慰藉料額は三二〇万円とするのが相当であると認められる。
2 原告儀一
成立に争いのない甲五、七号証、原告儀一本人尋問の結果によれば、原告儀一が本件事故当時被害車を所有していたものであることが、また、前掲乙一号証の一によれば、被害車は、本件事故によりかなりの破損(走行不能、ハンドル操作不能、タンク凹損、左前サイドミラー・方向指示器破損等)を生じたことがそれぞれ認められるが、本件被害車は、いわゆる中古車である(前掲甲五号証、原告幸雄本人尋問の結果によれば、原告儀一は昭和四七年四月ころ被害車を購入し、その後原告幸雄がこれを通勤に使用していたことが認められる。)から、事故当時の被害車の価格は、原則として、これと同一の車種・年式・型・同程度の使用状態・走行距離等の自動車を中古車市場において取得するに要する価額によつて定められるべきであり(最高裁判所昭和四九年四月一五日第二小法廷判決・民集二八巻三号三八五頁参照)、従つて、これを原告儀一が被害車を購入した際の価格により定めることは許されず、また、課税又は企業会計上の減価償却の方法である定率法や定額法により定めることも、被告栄子に異議がない等特段の事情がない限り許されないものと解すべきであるから、前掲甲五号証、あるいは、成立に争いのない甲九号証により事故当時の被害車の価格を算定することは妥当でなく、他に右の価格を的確に算定しうる証拠も存しないから、結局、原告儀一の車両損害については、その額の算定ができず、請求は認められないものといわざるを得ない。
四 過失相殺
前記二2認定の事実によれば、本件事故の発生については、原告幸雄にも、前方注視を怠つたかあるいは適切なハンドル操作を行わなかつたかの甚だしい過失が存し、そのため自車線の左側に十分な余裕があつたにもかかわらず自車を加害車に衝突させる結果となつたものであることが認められるところ、前認定の被告栄子の過失内容等諸般の事情を考慮すると、過失相殺として原告幸雄の損害の七割を減ずるのが相当と認められる。そうすると、被告栄子が原告幸雄に対し賠償すべき損害額は、五八二万三一五七円となる。
五 損害の填補
請求原因四の事実は、当事者間に争いがない。
よつて、原告幸雄の前記損害額から右填補分二五八万四六九五円を差引くと、残損害額は三二三万八四六二円となる。
六 弁護士費用
本件事案の内容、審理経過、認容額等に照らすと、原告幸雄が被告栄子に対して本件事故による損害として賠償を求め得る弁護士費用の額は三〇万円とするのが相当であると認められる。
七 結論
よつて、被告栄子は、原告幸雄に対し、三五三万八四六二円及びこれに対する本件不法行為の日の翌日である昭和四七年一一月二三日から支払済みまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金を支払う義務があり、原告幸雄の被告栄子に対する本訴請求は右の限度で正当であるからこれを認容し、被告栄子に対する原告幸雄のその余の請求及び原告儀一の請求並びに被告嘉幸に対する原告らの請求はいずれも理由がないから棄却することとし、訴訟費用の負担につき民訴法八九条、九二条、九三条、仮執行の宣言につき同法一九六条を各適用して、主文のとおり判決する。
(裁判官 鈴木弘 大田黒昔生 畑中英明)